あなたはこんな経験ありませんか?
テレビの番組やCM、ユーチューブで、
「なんだ、この人」
とはじめは苦手だったタレントやアイドル、ユーチューバーを何度も目にするようになったことで、
いつからか興味が湧いたり、親近感を覚えて気づけばファンになっていたなど。
また人に限らず「商品」を紹介する広告やCMを見て、
「なんだこのCM、この商品」
と思っていたが何回もそのCMを目にしたことで、好印象を抱いたなど。
じつはこれ「ザイオンス効果」と呼ばれる心理効果で、
人は何度も物や人に接触することで対象の好感度が高まるという現象が起きていたのです。
別名で「単純接触効果」と言ったり、人間関係においては「熟知性の原則」と呼ばれおり、
人は会えば会うほど、そして知れば知るほどその人に好意を持つといった心理効果があるのです。
実はこの「ザイオンス効果」は恋愛やビジネスシーンにおいて活用すればかなり役に立ちます。
そこで今回の記事では、このザイオンス効果の正しい使い方について詳しく紹介していきたいと思います。
この「ザイオンス効果」ですが使い方を中途半端に覚えてしまうと、
逆効果に働いてしまい相手からの印象がどんどん悪い方向へ向かってしまうという危険性もありますので、
しっかり最後までチェックしていただけたらと思います!
おすぎくん
五右衛門
目次
実際にザイオンス効果を使った実験
簡単にザイオンス効果を使った実験について説明します。
アメリカの心理学者ザイオンスは、ある実験によってこの「効果」を証明しました。
その実験では、大学生を被験者にして卒業アルバムの中から10枚の写真を被験者に見せ、
それぞれの写真の人物についての好意度を調査しました。
ただし、全員同じ回数見せたのではなく、10枚の写真のうちの2枚を2回、2枚を5回、2枚を25回繰り返し見せました。
結果は、多く見せた写真の人物ほど、被験者の好意度が高くなることがわかったのです。
このことからアメリカの心理学者ザイオンスは人や物に対し接触が増えれば増えるほど好感度が増すと結論づけたのです。
おすぎくん
ザイオンス効果の身近な例はあなた自身
こんな経験ありませんか?
誰かが撮影した自分の写真や動画を見て、
「こんな顔してたっけ?鏡と違う…」
自分の音声を聞いて、
「えっこれ自分の声?気持ち悪っ!」
じつはこれ普段、見慣れていなかったり、聞き慣れていないため違和感を感じるのです。
たとえば自分の顔は鏡を通して見ることがほとんどだと思いますが、
鏡の顔を左右反転反転するため、実際の写真や動画を見ると違和感を感じてしまったり、
自分の声は自分自身の頭蓋骨に響いた声を聞いているため、
実際に音声や動画で聞く自分の声と異なるため違和感を感じてしまうのです。
鏡に映る自分、頭蓋骨で響いた自分の声が心地良く感じるのはザイオンス効果によるもので、
音声の声を聞き慣れたり、動画に映る自分を見慣れることで今は違和感があっても、
ザイオンス効果により心地よいものに変わると考えられます。
恋愛にザイオンス効果を応用する
もしあなたがザイオンス効果を使うのであれば、
気になる相手と接触する頻度を上げることが重要で、とくに顔をあわせて声を交わした数が大切になってきます。
おすぎくん
と思うかもしれませんが話した時間はとくに気にしないで大丈夫です。
たとえば気になる人が「同じ会社の人」や「学校の同級生」の場合、
すれ違うタイミングで、
「〇〇さん、おはよう」
「〇〇ちゃん、お疲れさま」
などの一言でも構いません。
また名前を呼ばれることは人間にとって一番心地のよい言葉なので、
名前も入れて挨拶をするのもいいでしょう。
モテる人はマメな人が多いと言われていますが、
その理由としてマメにすることで相手との接触する数が増え、好感度が上がるからと考えることもできます。
五右衛門
仕事にザイオンス効果を応用する
営業の場合
営業において単純接触は重要な鍵を握っています。
なぜならお客さんはたくさん訪れる営業マンの中から選ぶ際に、このザイオンス効果が働いて選ぶからです。
そしてトップ営業マンと言われる人は必ずこのザイオンス効果を無意識、もしくは意識的に使っています。
たとえば、
3人のセールスマンがある商品をお客さんのもとへ営業しに行ったとしましょう。
営業マンA→週に1回
営業マンB→週に2回
営業マンC→週に4回
この場合、購入に悩んでいるお客さんはどの営業マンに声をかけると思いますか?
答えは間違いなくCの営業マンです。
なぜならお客さんの頭に真っ先に思い浮かぶのはCの営業マンであり、
さらに返報性の法則が働いて、
「いつも来てもらって申し訳ないから、お返ししないと」
と話を聞いてもらいやすくなるからです。
つまり営業マンにとって大事なことはプレゼンの技術、セールストークはもちろんのこと、顔を何度も出すということだったのです。
おすぎくん
SNSを使ったマーケティング
TwitterやYouTube、FacebookなどのSNSとザイオンス効果はとても相性が良いと言えます。
なぜならSNSは手軽にフォロワーとコミュニケーションをとることができるので、
Twitterでつぶやいてフォロワーにアプローチをしたり、自社で作ったチャンネルのフォロワーに動画でアプローチができます。
そして定期的に接触することであなたへのファンがついたり、自社の製品を目にする機会が増えるため認知度も上ります。
おすぎくん
ザイオンス効果が逆効果にならないための注意点
相手があなたを嫌っていれば接触するほど嫌われる
ザイオンス効果は会えば会うほどあなたの評価が上がると言いましたが、例外があります。
それはあなたに対する評価がかなりのマイナスだった場合に、ザイオンス効果がプラスに働くことはありません。
相手があなたを嫌っている状態で接触すればするほど、
「またこの人かよ…」と悪い印象が上書きされるだけなので、ストーカーと同じような恐怖感や嫌悪感を与えかねません。
あなたの欠点が相手にとって大きければ効果は出ない
たとえば、
知り合って間もない頃、相手があなたに対し良い印象を抱いているとしましょう、
しかし何回も会っているうちに良いところも見えてきたが、ふとした瞬間に相手があなたの欠点を見つけてしまいました。
欠点が相手にとって大きな問題だった場合に、
次会うときに相手はあなたの嫌な部分ばかりに目が行くようになるので、
次からあなたに会いたくないと考えるでしょう。
このように相手と親しい関係ではない状態であなたの欠点が目立ってしまうと、
相手は会うたびに欠点ばかりが目についてしまいザイオンス効果の意味がなくなってしまうのです。
接触する回数はどのくらいがベストなのか?
ザイオンス効果には限界があり「10回」をピークにそれ以降、何度も会ったとしても、
印象は変わらないということが実験や論文で示されています。
たとえば、
- 好きな人に10回アプローチしたが失敗した
- 営業のお客さんに10回プレゼンしたのに契約までいかない
10回以上接触しているのであれば、ザイオンス効果はあまり期待することができないので、
そこからはあなたの実力になり、他のアプローチ法を考えたほうがいいでしょう。
接触する間隔はどのくらいがベストなのか?
回数と同じくらい大事なのが、「接触する頻度」です。
月に1回4時間会う人と週に1回1時間会う人では、
1ヶ月に使う時間は計4時間と同じですが、
圧倒的に週に一回1時間だけ会う後者のほうが良い印象を持たれます。
なぜなら人は忘れてしまうからです。
エビングハウスの忘却線から引用すると、人は覚えた記憶を一日後には67%を忘れてしまい、
31日後には79%も忘れてしまうと言われています。
つまり日が経てば経つほど、あなたに対する記憶が薄れてしまうため、ザイオンス効果が弱くなってしまうのです。
そこで定期的に顔をあわせることによって、あなたとの記憶が忘れないように防止することができます。
つまり大切なことは会う時間よりも会う間隔のほうが大事であり、
その間隔は最後の日から短いほうが良いのです。
おすぎくん
さいごに
いかがでしたか?
ザイオンス効果は接触する回数が増えれば増えるほど、好印象を抱くという心理効果です。
しかし相手があなたを嫌っていた場合や会う回数、間隔を間違えてしまうと、
効果が弱くなってしまったり、最悪の場合には接触したことによって嫌われてしまうということもあるので注意が必要です。
ぜひこちらの記事をしっかりと読んでもらい、落とし込めていただけたらと思います。
最後まで呼んでいただきありがとうございました!
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