今日から使える!心と体の健康科学

【悪用禁止】人の判断力を奪うダブルバインド|NOが言えない心理テク

「ラーメンは醤油派ですか?それとも味噌派ですか?」

このように聞かれるとあなたが豚骨派だったとしても、

「どちらかといえば味噌のほうが好きかな?」

と与えられた選択肢の醤油か味噌のどちらかで答えるはずです。

人は選択肢の中に自分の答えがなかったとしても、

選択肢の中から無意識的に答えを探そうとします。

こういった、

「はい」「いいえ」で答えられる質問ではなく、

選択肢を与えて答えを中から選ばせるテクニックを「ダブルバインド」といい、

物を売るのが上手い人、交渉が上手い人、異性からモテる人、人の心を動かすのがうまい人は、

ダブルバインドを意識的、もしくは無意識的に使いこなしています。

心理学の中でダブルバインドは相手の思考を停止させ相手にストレスを与えるコミュニケーションで、

詐欺師が使うテクニックだったり洗脳する方法の一つとしても使われていますが、

このダブルバインド、正しく活用すればビジネスシーンにおいても恋愛のシーンにおいてもかなり役に立つのです。

ではこのダブルバインドをどのように使えばいいのか?

今回の記事では相手を無意識的に動かす「ダブルバインド」について詳しく話していきたいと思います。

目次

ダブルバインドとは?

心理学でダブルバインドは、

「矛盾した2つ以上のメッセージを受け取った人はその矛盾を指摘することができずに、そのメッセージから応答しなければいけない。心が拘束されて身動きができなくなること」

を意味しています。

これを冒頭のラーメンの例に当てはめていくと、

醤油か味噌、この2つを提示することで本当は豚骨ラーメンが好きでも指摘せずに、

醤油か味噌のどちらからか選ぼうとしてしまうということです。

ではどのように恋愛やビジネスにおいてダブルバインドを活用すればいいのか?

これについて話していきましょう。

恋愛で応用するダブルバインド

たとえばあなたの気になる異性を食事に誘いたいとします。

「今度の休み食事に一緒にいかない?」

この誘い方の場合、感情は抜きとしてYESかNOの二択のためYESを貰える確率は50%になってしまいます。

しかし誘い方をこのように変換させたらどうでしょうか?

「今度の休み食事するならイタリアンか中華どっちがいいかな?」

ここで大事なのは食事に行く前提でAかBの提案をすることです。

誘いをOKしてもらっていないのにも関わらず、

誤った前提を使ってOKしてもらうように導くテクニックのことを「誤前提暗示」といい、

前提を入れてAかBを選ばせることによって、

「行く・行かない」という選択肢は排除されて脳はAかBのどちらかで考えようとします。

なので行く前提で尋ねることで、

「今度の休み食事に行かない?」

よりも無意識的にどちらかから答えを出さないといけないという、

ダブルバインドの効果で承諾率が高くなるのです。

ではもっと具体的な会話を例にして見ていきましょう。

ただダブルバインドの会話例に入る前に、

「フットインザドアテクニック」「YESの法則」を組み合わせると、

さらにグンッと承諾率が上がり、普通に尋ねるより4倍以上の効果が高まると言われています。

ぜひこちらも簡単に説明しますのでしっかり押さえておきましょう。

フットインザドアテクニック

フットインザドアテクニックは小さいお願いから入り、徐々に目的である大きな要求をOKしてもらうテクニックです。

A「買い物へ行くついでになにか食べる物を買ってきてくれない?」

B「OK、わかった!」

A「いまお店?申し訳ないんだけど、近くにタピオカの店あるでしょ?そこでついでにタピオカミルクティー買ってきてくれない?」

B「えぇ、めんどくさい、わかったよ」

このように最初に小さなお願いをOKしてもらうことでその後の大きなお願いも聞いてもらいやすくなり、

一回OKをだしたことで「ついで」断りにくくする効果があるのです。

YESの法則

「YESの法則」は会話の中で連続して「YES」を答えさせる質問をすることで、

相手はその流れに一貫性を持たせようとし、本命の頼みごとをしても法則から「YES」と言ってしまうテクニックです。

タモリさんも「いいとも」でこの法則を使っていましたね。

タモリさん「明日も暑いみたいですよ」

観客「そうですね!」

タモリさん「東京は熱帯夜みたいですよ」

観客「そうですね!」

タモリさん「なんか50度ぐらいみたいですよ」

観客「そうですね!」

タモリさん「そんなこたぁ~ない笑」

これもその流れの一貫性をもたせているため無意識的に「そうですね!」と観客の方は言いたくなってしまったのです。

またこんな遊びをした記憶ありませんか?

A「ピザ10回言ってみて」

B「ピザピザピザピザピザピザピザピザピザピザ。」

A「ここは?」

B「ピザ!あっ…」

A「あ~!引っかかった!笑」

これも同じことが言えます。

このように言葉に一貫性をもたせると無意識的に言葉を発してしまう心理があります。

これらの「フットインザドアテクニック」「yesの法則」をダブルバインドに絡めるとさらに承諾率は高くなるでしょう。

恋愛シーンでの会話例

A「〇〇さんイタリアン好きなんだっけ?」

B「うん!」

A「最近この近くにイタリアンで有名なお店ができたんだけど知ってる?」

B「知ってるよ、〇〇の近くにあるお店だよね?」

A「そうそう、あれ中華も好きなんだっけ?」

B「そうだね、中華料理も好きだよ」

A「じゃあ今度の休みに中華料理かイタリアンどちらか食べに行こう!どっちがいい?」

このようにただ闇雲に「はい」か「いいえ」で答えられる「今度ご飯行きませんか?」と誘うよりも、

相手がどちらを選んでもメリットになるような選択肢を提示するとOKしてもらいやすくなります。

あなたの質問によって導かれた2つの選択肢はマイナス要素がないため断りづらくする効果があります。

また行く前提の選択肢をあげることで、

「行く・行かない」の選択肢を無意識的に除外することができます。

ビジネスで活用するダブルバインド

ビジネスのシーンではダブルバインドをどのように応用すればいいか?

たとえばあなたは電化製品で働くスタッフとしましょう。

お客さんがカメラコーナーでなにか商品を探しています。

あなたならなんと声をかけますか?

もし、

「なにかお探しですか?」

と声をかけたらそれはアウトです。

yesかNOで答えられる質問は「結構です」と相手を逃してしまう可能性が高くなります。

なのでこの場合には、

「ビデオカメラと一眼どちらでお探しですか?」

とカメラを探しに来たという前提で質問を投げかけます。

そこから二者択一の質問を繰り返し、

「カメラの用途は風景を撮ったりですか?それとも家族の撮影ですか?」

「外出時、カメラは長い時間使用しますか?それともちょっとした撮影で終わりですか?」

「お客様にはAの商品とBの商品が用途に一番合っていますね!どちらのデザインが好みですか?」

ただ今の例だと質問攻めで尋問のようになってしまいますので、

もっとコミュニケーションをとりながらもダブルバインドで選択肢を与えながらお客さんのニーズを絞っていきます。

最終的にお客さんにあった商品へとたどり着いたら「AとBだとどちらが良いですか?」という購入前提の選択肢を与えることで、

「必要・不要」という選択肢を無意識的に除外することができます。

電話でも使えるダブルバインド

電話でお客さんや取引先の会社にアポイントをとるときにも使えます。

普通では、なにか商品を売るために電話でセールスしても要らないと言われてしまい会うにも一苦労です。

そこで会う約束をこじつけるときには、

「都合のいい日にお伺いしたいのですが」

と聞くのではなく、

「もしお伺いする場合には水曜日と金曜日であればどちらが都合よろしいですか?」

「時間帯は午前・午後どちらがいいですか?」

「では今週の金曜午後と来週の金曜午後ならどちらが都合いいですか?」

というように会う前提で相手の都合をダブルバインドしていきます。

このようにすることで相手側が会う必要性がないと感じても、

ダブルバインドで誘導された結果、他の選択肢を考えることができないという縛りがあるためアポイントを取る確率を高めてくれます。

ダブルバインドを使う際の注意点

ダブルバインドの注意点として、

「イタリアンか中華」

「AのカメラとBのカメラ」

どちらも「選ばされた」と思われてしまうと効果がなくなってしまい、

デートにOKしてもらってもキャンセルされたり、商品を買ってもらったとしても返品されてしまう可能性を高めてしまいます。

なので相手と交渉に入る場合には相手の心理を観察しながらも、その決断は自分自身で選んだと思わせる話術も必要です。

モラルハラスメントにも使われるダブルバインド

今まで話してきたNOを言わせないダブルバインドは「誤前提暗示」を利用したテクニックで、

誤った前提を使って答えに導くテクニックです。

しかし一歩間違えると危険なダブルバインドがあります。

それは「否定的ダブルバインド」です。

とくに職場や親子関係でのモラルハラスメントやパワハラに繋がります。

今までこういった経験をしたことはありませんか?

職場やアルバイト先で、

仕事の内容が正しいどうかわからないため上司に尋ねたら、

「そんなの確認しなくてもわかるだろ?」

「いちいち相談せずに自分で判断しろ!」

というくせに確認せずにミスをすると、

「なんで確認しないんだよ?勝手に行動するな」

仕事をしている人ならこういった経験はあるかもしれませんね。

このように人間は言っていることと行動が矛盾している「否定的ダブルバインド」を受けると、

思考が停止してしまい、どうしていいかわからずにモチベーションが下がってしまいます。

このような否定的ダブルバインドが続くと混乱や緊張から行動することを恐れてしまい、

最悪の場合には精神的に追い込まれてしまい、鬱や統合失調症など発症するきっかけになってしまうので部下を叱る場合には注意してください。

また親子関係にも同じことが言え、

「なんで親に相談しないんだ!勝手なことをするからいつも失敗するんだろ?」

と言いながらも相談すると、

「そんなことぐらい親に頼るな、自分の頭で考えろ」

または、

「親の言うことが聴けないのなら勝手に好きにすればいい」

と言いながらも好きなようにすると、

「勝手なことをするのならもう親子の縁は切る!」

こういった言葉の矛盾が生まれると子供は、

「親から反対されるのではないか…」

と恐怖がつきまとい親子の関係が悪くなる原因にもなったり、

思い切り行動ができなくなるため子供の自立心を奪う行動となってしまいます。

洗脳やDV、ツンデレにも使われている

洗脳やツンデレ、DVにも否定的ダブルバインドが使われています。

ツンデレの場合、普段は冷たいけどたまに甘える「好き」「嫌い」を行動や言葉を使って繰り返します。

抱きしめられたと思ったら「お前のことは好きじゃないよ」と言ったりなど。

人は不安の状況下で、たった少しの好きを見つけるだけで通常では感じることのできない安心感を得ることができるのです。

また「あの人には私がいないとだめなの…」とDVをされているのにも関わらず別れることができない人がいます。

その原因は暴力のあとに甘い優しい言葉をかけられることで行動と言葉の矛盾から脳が麻痺してしまい、

「本当は優しい人なんだ、悪いのは自分なんだ、私が変わればいいんだ」

このように相手へ依存してしまうからなのです。

なので言葉と行動を矛盾させないように注意しましょう。

さいごに

いかがでしたか?

ダブルバインドは一歩間違えた使い方をすると危険ですが、

正しく使うことでNOと言われない交渉ができるため恋愛やビジネスにおいてもかなり役立つと思います。

ぜひ正しく活用していただけたらと思います。

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