おすぎくん
3時間後…
おすぎくん
おすぎくん
3万円くらいなら取り戻せるはず!
五右衛門
おすぎくん
なんだプロスペクト理論って…?
五右衛門
つまり負けている分を取り返すために勝てる確率が低くても勝負にでようとするのだ。
「1万円を手に入れる喜びと、1万円を失うショック」
あなたにとって「喜び」と「ショック」どちらが大きな出来事だと感じますか?
どちらも同額の1万円なのに人間にとって、
「失ってしまう1万円」のほうが遥かに気持ちが大きく揺れ動きます。
なぜなら人間の心理として得をすることよりも、
損をしたくない(損失回避)という気持ちのほうが強く働くからです。
そしてその損をしたくないという気持ちは、
得をしたいという気持ちよりも2倍から2.5倍も思いが強くなると言われています。
この理論を「プロスペクト理論」と言い、
認知心理学者ダニエル・カーネマンとエイモス・ドヴェルスキーが1979年に提唱しました。
実は行動経済学で語られることの多い「プロスペクト理論」ですが、
日常的にあなたの身近で人間が「損失を回避」するという現象をよく目にしています。
- ビジネス
- 人間関係
- 恋愛
- ギャンブルなど
そこで今回の記事では「プロスペクト理論」について身近な例を使いわかりやすく解説し、
ビジネスシーンにおいてもどのように応用されているのか?についても話していきたいと思います。
ぜひ最後までチェックしてくださいね。
目次
プロスペクト理論を使ったお金の例
プロスペクト理論には2つの考え方があります。
1つずつ見ていきましょう。
1.リスク回避型
たとえば、あなたがゲームに参加したとします。
そのゲームとはシンプルにコイントスをして表か裏か当てるゲームです。
以下の2つならあなたはどちらを選びますか?
- A:コインを投げて表が出れば100万円がもらえる、しかし裏が出れば40万の損失(借金)。
- B:ゲームに参加をしなければ20万円をただでもらうことができる。
実はこのゲーム、冷静に合理的な判断をすれば確実に20万円を得るよりも、
「100万を得る or 40万を失う」
ゲームに参加したほうが100万円を得る確率、期待値が高いためお得なのです。
しかし人というのは1円ももらえないというリスクを確実に避ける心理があるため、
ほとんどの人は「B」を選びます。
このリスクを避けようとする心理を「リスク回避型」と呼びます。
2.損失の回避型
では次のケースではどうでしょうか?
あなたはさっきのゲームで裏を引き当ててしまい-40万円の負債を負ってしまいました。
しかしそのゲームの主催者があなたにチャンスをあげると言い、
その内容として赤と黒のルーレットを回して、
赤を出すことができれば+80万円(出現率30%)を得ることができ、
黒を出せばさらに-20万円(出現率70%)の負債(借金)。
つまりあなたは赤を出すことができれば前回の負けぶんを合わせても+40万で気持ちよく帰れますし、
黒を出してしまえばさらに負債は膨らみ-60万と地獄みたいな顔で帰ることになります。
そして主催者が追加でこんなことを言ってきました。
「ゲームに参加しないなら10万円を返金しても良いよ。」
つまりゲームに参加しないのであれば確実に10万円を手にすることができ、
前回のゲームを合わせて負債を-30万円にして帰ることができます。
- 出現率30%の赤を出して+40万で帰るか?
- 出現率70%の黒を出して-60万で帰るか?
- ゲームに参加せずに返金+10万を受け-30万の負債で帰るか?
あなたならどれを選びますか?
1.で説明した「リスク回避型」の考えでいけばゲームに参加せずにリスクを回避して+10万円で帰ると思われます。
しかしこのような状況の場合には状況が大きく変わり、
ほとんどの人が出現率の30%の80万を取るためにゲームに参加します。
なぜ出現率の低い赤(+80万円)を取りにいこうとするのか?
なぜならいま現在、負債(借金)を背負っているからです。
人は損をしているとすべてを取り戻そうと心理が働いてしまい、
それを「損失の回避型」といいます。
借金がなにもない通常の状態では、
1円ももらえないというリスクを確実に避けようという心理が働きますが、
人は損をしている状態だと、
たとえ確率が低くても一発逆転を狙い、今あるすべての損失を回避しようとするのです。
このことから人間は、
男性
という性質を持っており、何が何でも損失を避けようとする心理が働くのです。
人は利益を得る場面では「確実に手に入れる」ことを優先し、
逆に損失をかぶる場面では「最大限に回避する」ことを優先する。
つまり人は「得することよりも損をしたくない」という、
気持ちのほうが強いということを表したのが「プロスペクト理論」なのです。
おすぎくん
プロスペクト理論の身近な例
ではこの「プロスペクト理論」ですが、
どのように私たちの日常生活に影響しているのか?
身近な例で紹介していきたいと思います。
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たとえばあなたに好きな人がいて、その子とは何回もデートをしています。
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結果的に付き合うためには告白をしないといけませんよね?
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なぜなら、
「もし告白してフラれてしまったら…」
「女性と過ごした楽しかった時間がフラれたことによって終わってしまったら…」
このように付き合えたときの喜びよりも振られた時の悲しみ(損失)のほうが大きいので、
告白することを回避しようとします。
これもプロスペクト理論からなる人間の心理なのです。
五右衛門
つまり好きであればあるほど告白することが怖くなってしまうのだ。
ギャンブル・投資
はじめは勝てる金額、倍率が低くても確率の高い勝てる勝負をし、
どれだけ勝てる金額が少なくても確実に勝ちたいという心理が働きます。
しかし負けが続くと、コツコツ勝てる勝負をしようとはせずに損失回避、
つまり負けた分を一撃で取り返すような心理が働いて賭け方が大胆になるのです。
そしてマイナス状態に直面すると損失に対する感覚が鈍くなり、さらに高いリスクをとるようになります。
それが毎回「取り返そう」という賭け事になってしまい借金をしていくようになるのです。
これがギャンブルで借金をしてしまう人の心理といえるでしょう。
おすぎくん
コピーライティング
コピーライティングとは人間心理を使って、
言葉(文章)で読者に購買意欲を駆り立てる広告の文章、またはその技術のことを言い、
主に新聞や雑誌、ウェブサイトに活用されています。
たとえば消費者の不安恐怖を刺激する文だと、
「もうすぐ夏ですね、そして夏といえば海ですがあなたの体型は大丈夫ですか?
海ではだらしない体型をした男性に対し女性の〇〇%の人が不快感を抱いているのに対し、
引き締まった体の男性には〇〇%の女性がカッコいいと感じています。
そんなあなたにこの加圧シャツをオススメします、この加圧シャツは着るだけで…」
このように不安感を煽って行動させるのも損失回避という人間の心理を利用しています。
また希少性や機会損失なども同じことが言え、
「本日限定でしかもこの価格!この機会を逃したら次の入荷はいつになるかわかりません!」
と消費者に煽りを入れることで、
「早く購入しないともったいない!」
「損をしたくない!」
これらも人間の持つ「損をしたくない」という心理を利用しています。
おすぎくん
プロスペクト理論はマーケティングでこのように応用されている
ではここからはビジネスにおいてどのように活用されているのか?
普段私たちがよく見る光景から解説していきます。
期間限定
期間限定にすることで損失を煽るようなマーケティングがよく見られます。
- 誕生日限定で〇〇%オフ!
- 期間限定のオススメ商品!
- 今だけ貰える〇〇!
- 応募者全員プレゼント!
このように期間を煽ることで、
「損をしたくない」
「早く購入しないともったいない」
と購買意欲を高めています。
地域限定
よく観光スポットのおみやげコーナーに行くと、地域限定グッズやご当地アイテムを強調して売られていますがこれも、
「次いつか来るかわからないから買っちゃうか!」
「いま買っておかないと!」
という心理が働き購買意欲が高まります。
お試し
よくスーパーやデパートで試食や試飲、化粧品のお試しなど利用することができますがそれは、
「この商品どういう味がするんだろう?」
「この商品、使ったらどんな感じなんだろう?」
「値段が値段だけに購入に踏み込めないな…」
このような消費者が抱える不安を潰し、
納得してもらい安心してもらってから購入に促すという効果が「お試し」にあります。
「この化粧品使ってみたいけど高いんだよね…でも使ったら自分に合うかもしれないし…」
このように未来に起こる損失、可能性を「お試し」してもらうことで損失回避させているのです。
またよく通販の健康食品の、
「お試し価格でなんと一箱が〇〇円!ぜひお試しください!」
などの謳い文句がありますが、それも同じことが言えます。
返金保証
返金ができるという安心感があると人は購入の決断がしやすくなります。
「試してだめなら返金できるから安心だな!」
返金があることで買い手は買わないことで起きる後悔(機会損失)を避けることができます。
無料キャンペーン
「ご購入のお客様の中から抽選で〇〇名様にこの〇〇を無料でプレゼント!」
きっとあなたはこのフレーズをテレビや、家電量販店、ショッピングモールで聞いたことがあるかもしれませんね。
これも「確率は低いけどもしかしたら当たるかも!」こういった低い確率でも損失回避が働き購買意欲を高めています。
ポイントサービス
ポイントサービスに有効期限を設けることで次回の購買意欲を高めることができ、
家電量販店、アパレルショップ、ネット通販ではポイントのシステムを取り入れています。
「ポイントがなくなる前に何か買って消費しないともったいない!」
ポイントのシステムを使うことで消費者に来店してもらって、新作の商品を知ってもらうこともできます。
競合優位性
よく携帯会社が他社と比較して自社の優位性をアピールしていますね。
「顧客満足度がなんと96%!他社の平均では90%です」
人間は自分の絶対評価よりも相対評価をする傾向にあります。
つまり比較して評価に優劣をつけているのです。
そこで他社との比較をすることにより、損失を避けたいという人間心理に効果的にアプローチすることができるのです。
五右衛門
なぜ人間は損失を回避しようとするのか?
人間が損失を回避する理由は太古の時代までさかのぼります。
太古の人たちは家族のため自分のためにとってきた獲物を長期的に保存することができず、
食料となる獲物がいつ取れるかわからない状況下で獲ってきた食料は、
生きるためには一番大切なものでした。
そして家族や自分を生きていくには食料が必要であり、
獲ってきた食料が失ってしまうことは恐怖です。
そのことから利益を得る可能性よりも、
確実に損失を回避することのほうが大切と感じるよう脳に記憶されていると言われています。
おすぎくん
さいごに
いかがでしたか?
プロスペクト理論は人間の心理において普段の生活から密接に関係しており、ビジネスシーンにおいても活用されています。
ぜひこの記事を読んで理解を深めていただけたらと思います。
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